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黙示録タイトル

田内千鶴子の生涯は映画「愛の黙示録」(1995年)によって多くの人に知られることになりました。ここでは、この映画についてご紹介します。
※上のタイトル文字は高知県在住の書家・藤田紅子さんが映画のために書かれたものです。

希有なる合作映画    映画評論家・白井佳夫


「愛の黙示録」のような題材を映画にするのはとても難しい。今までだと、イデオロギー的な図式化によって、かつての日本の韓半島に対する植民地支配の、贖罪のドラマとしてこれを映画化するか、あるいは絵に描いたような純正ヒューマニズムにのっとって、これを日韓の架け橋となった聖女のドラマにする、といった形が一般的なものであった。その結果として、何れもよくあるステレオタイプの映画が出来上がることになる。
 「愛の黙示録」が、そのどちらにもなっていないのは、まず第一にヒロインの長男である尹基、日本名田内基の原作「母へ、そして我が子らへ」をシナリオ化した、中島丈博の脚本が、図式化と定型化を排した、シンプルなものでありながら、なおかつリアルな重量感をもったものであることによるものであろう。第二にそれを映像化した、韓国映画のベテラン金洙容監督の映像造形の力も、とても大きい、中島丈博のシナリオが、韓国映画ならではのスケールの大きなアジア的な映像造形力で、力強く作品化されているのである。日本の映画監督なら、恐らくこうはいかなかったことであろう。
 ようするに「愛の黙示録」は、日本的なシナリオの良さと、韓国的な映像演出が、掛け算されたような形の、ユニークな日韓合作映画になっているのである。従来の合作映画の、片方の国の人間が満足すると、もう片方の国の人間が不満を持つ、といったよくある形をまったくこの作品はふんではいないのである。ヒロインを演じる女優が、頭で計算した演技を肉体におろしてくる、といったよくあるタイプの人ではなく、自分の肉体的な存在感を賭けてその役を演じる、石田えりであったことも、とてもよかった。ここまで総てがうまくいった映画ができると、日韓両国の観客に、これをいかに数多く見てもらうかが、今後の勝負であろう。

きっかけとなったテレビ番組

1992年2月9日夜9時。テレビ番組「知ってるつもり」で韓国孤児たちのために生涯を捧げた田内千鶴子が紹介された。加山雄三、井上順、松原千明、黒田福美、小林千登勢、赤木春恵のコメンテーター、そして司会の関口宏の各氏が口々に感動と賞賛の言葉を述べた。テレビを見た全国の視聴者も深い感動の渦に巻き込まれた。こうして、田内千鶴子の生涯が広く知られることとなり、映画作りへとつながっていった。

1993年5月、映画制作の事務局が堺の故郷の家に置かれ、日韓合同で映画制作が進められることになった。

94年3月 シナリオ完成
  94年6月 すべてのキャスト決定、題名も「愛の黙示録」と決定
  94年8月 クランクイン
  94年11月 「『愛の黙示録』を世界に送る会」発足
  95年9月 映画完成、故郷の家での披露、地元堺市での特別試写会
  95年10月 東京サイエンスホールでの試写会を経て一般公開。


キャストとスタッフ

 


シナリオ:中島丈博
監督:金洙容(キムスヨン)
撮影:鄭一成(チョンイルソン)


キャスト
田内千鶴子:石田えり
千鶴子の母::風見章子
尹致浩:吉用祐(キルヨンウ)


数々の受賞


○96年 中央児童福祉審議会「音響・映像部門・厚生大臣賞(児童福祉文化賞)、山路ふみ子福祉、日本映画批評家アジア親善作品賞、日本カトリック映画賞
○97年 日本映画批評家大賞

○99年 韓国で韓国キリスト教文化大賞映画部門受章

「愛の黙示録」はさまざまなメディアで取り上げられ、映画雑誌では特集が組まれた。画像は1995年10月号「シネ・フロント」


韓国での上映

 99年、韓国政府が日本大衆文化解禁認可第一号として「愛の黙示録」上映を認可。韓国でも深い感銘を呼び、韓国キリスト教文化大賞映画部門も受章した。
 小渕総理(当時)もテレビ番組の中で「『愛の黙示録』上映が、これからの日韓文化交流の出発点となったことを喜んでいる」と語った。小渕総理はその後、韓国の木浦共生園に梅の木を贈った。

教材に、そして記念碑建設

田内千鶴子の出身地・高知では、中学生用道徳教育副読本の中で千鶴子の生涯を紹介した。田内千鶴子は教材にもなったのである。
さらに、1997年には高知市若松町に田内千鶴子生誕地の碑が建設され、千鶴子の命日であり誕生日でもある10月31日に除幕式が行われた。式典には共生園のこどもたちもはるばる韓国から参加した。これを機に、10月31日を国際交流の日とすることも定められた。


DVD

「愛の黙示録」のDVDは3000円(税込)で販売中。お問い合わせは下記まで。

  映画「愛の黙示録」を世界におくる会
  〒590-0142 大阪府堺市南区檜尾3360-12
  Tel 072-271-0881 Fax 072-271-5474
  E-mail kazoku @ kokorono.or.jp



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