第1回「日韓こころの交流」シンポジウム
ソーシャルワーカーの専門性の開発と将来展望
2003年12月8日 韓国ラマダプラザ済州ホテル

発表
「日本における社会福祉士の現況と将来展望]

杉村 和子
社団法人 日本社会福祉士会 相談役


T.日本社会福祉士会設立の経緯

 はじめに日本における福祉専門職の国家資格である 「社会福祉士」 の誕生と、
専門職団体である 「社団法人日本社会福祉士会」 の設立の経過について述べる。設立に大きく関わった西澤秀夫の 「日本社会福祉士会の目指すもの―設立までの経緯と今後の展望―」に詳しく述べられているので、それに基づいて報告をする。
 西澤は、文中で社会福祉という職業の中での 「資格」 の持つ意義とその歴史を以下のように述べている。
 敗戦によってえた新憲法は、すべての日本国民に 「健康で文化的な最低生活を営む権利」 (憲法第25条第1項) を保障すると同時に、国に 「社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努め (る) 」 (同条第2項) 責任を負わせた。





杉村 和子
社団法人
日本社会福祉士会 相談役
   ここにはじめて、 「社会福祉」 が憲法上国が責任を負うべき国民生活の一部門となった。社会福祉が国政の一部門として確立されるのにつれてその仕事に携わる者の数が増え、また従事者が増えるのに従ってその業務水準を維持向上させるための人材が求められるようになるのは自然の成り行きであろう。この要求を曲がりなりにも 「資格」 の形で最初に具体化したのは 「福祉事務所」 の設置と併せて導入された 「社会福祉主事」 制度である。
 これはいわゆる 「任用資格」 であって、それ自体自立した資格ではなかったにもかかわらず、戦後の日本においてはじめて導入された社会福祉の専門資格として画期的なものであった。しかし、この制度は時ならずしてその限界を露呈する事になる。福祉事務所の現場では、 「社会福祉の増進に熱意あ (る) 」 (社会福祉事業法第18条) 者に代わってその熱意も専門知識もない者が社会福祉主事に任用されるなど、制度の形骸化が進んだ。その原因としていわゆる 「三科目主事」 という言葉に表現される資格基準の低さ等多くのことがいわれているが、一つには社会福祉主事自身が自らの資格と業務の専門性を擁護し発展させるための組織的保障を欠いていたことにもある。
 1960 〜 70年代は、高度経済成長の結果として日本社会そのものが大きく変動した時代であった。社会福祉の分野でもそれまでの 「生活保護中心型」 から 「福祉六法型」 へと大転換が行われた。そしてその変化に対応できる福祉の新しい人材が求められていた。
 この時代要求に応えて中央社会福祉審議会に職員問題専門分科会が設置され、そこで用意されたのがいわゆる 「社会福祉士法制定試案」 (1971年) である。その意図は、従来からある社会福祉主事とは別に、 「ソーシャルワーカーを中心とする公私の社会福祉専門職者を包括的にとらえて専門職として社会福祉士 (仮称) 制度を設け、その資格基準を明定し」 (同案付属文書) ようとするものであった。そのため単独立法として 「社会福祉士法」 の制定が予定されていた。この試案は、それが内包するいくつかの問題によって社会福祉関係者の合意がえられず、時期尚早として日の目をみるに至らなかった。しかし社会福祉の専門性を高めるための手段としてはじめて 「社会福祉士」 という名称を持つ資格が登場したことに注目すべきである。

 1990年代は、 「高齢化」 と 「国際化」 の時代といわれている。本格的な高齢化社会の到来は、社会福祉のあり方を大きく豹変させた。これまでの 「選択的な社会福祉」 から「誰でも、何時でも、何処でも、必要なサービス」 が受けられる 「普遍的な社会福祉」 が目指されるようになり、 「施設福祉」 に代わって 「在宅福祉」 が強調され、 「市町村の役割の重視」 や 「医療・保健と連携」 が叫ばれるようになった。
 1997年制定の 「社会福祉士及び介護福祉士法」 は、このような時代的要請に応じて生まれたものである。 「国際化」 についていうならば、社会福祉士の誕生にとって重要な意義を持つ出来事として、1986年の 「東京・国際社会福祉会議」 の開催と、その準備を差し当たっての任務として 「日本ソーシャルワーカー協会」 の再建 (1983年)を挙げなければならない。なぜなら、社会福祉士資格制度の誕生には 「国際社会福祉会議」 に参加した諸外国代表、特に 「国際ソーシャルワーカー連盟」 の強い支援があってであり、また日本ソーシャルワーカー協会の存在は、初期の社会福祉士の組織化の母体として欠かすことのできないものであった。

 私たちが手にしている 「社会福祉士」 という資格の背後には、 「社会福祉士主事」 資格の誕生から数えて40年近く、 「社会福祉士法制定試案」 の発表から数えても16年の歴史がある。時代の要請に応えながら、自らの仕事を専門職として確立するために地道な努力を重ねてきた多くの先輩たちの苦闘の歴史でもある。 「社会福祉士」 と 「社会福祉士会」 を語るとき、このことを我々は忘れてはならない。

 1989年に施行された第1回社会福祉士国家試験によって、日本の社会福祉の歴史上はじめて、180名の社会福祉士有資格者が生まれた。 「資格」 を手にした社会福祉士は、自らを専門職として確立するため、自分たち自身の専門職団体を組織する仕事に取り組んだ。社会福祉士が最初に組織化の母体として選んだのは、日本ソーシャルワーカー協会 (以下 「協会」 という) であった。こうして1990年4月 、 「協会」 の中に 「社会福祉士部会」 が設けられ、以後社会福祉士はこの 「部会」 を中心にして3回にわたる 「全国社会福祉士研究集会」 等の活動を展開していく。

 しかし、この判断が時代の発展に即していなかったのは、数年を経たずして合格者数が激増し、それに反比例して組織率が激減したのである。これには、社会福祉士の多数と 「協会」 との間に距離があったこと、 「部会」 という組織形態に活動上の限界があったことなどに主要な原因があったと考えられる。この状況を目のあたりにして、 「部会」 の中では、新しい組織への模索が始まった。
 1991年4月、 「協会」 総会で仲村優一氏を委員長とする 「検討委員会」 設置が承認された。 「検討委員会」 での討議と並行して、社会福祉士の側の条件整備が進められ、1991年12月、 「第3回全国社会福祉士研究集会」 の席上 「新しい社会福祉士団体」 設立の呼びかけに多くの賛同をえ、新団体設立の準備が始まった。 「検討委員会」 は、社会福祉士が自主的に結成を計画している社会福祉士会 (仮称) については、積極的にこれを支持し、協会の会員たる社会福祉士が、ソーシャルワーカーとしての自覚と誇りをもって同協会の活動を推進していくことを期待する」 という内容を含む報告を 「協会」 の1992年度定例総会に提案し、承認を得た。このように主体的・客観的な諸条件が整ったことを受けて、1992年4月26日、 「協会」 員でない社会福祉士を含む 「社会福祉懇談会」 が開催され、 「新しい社会福祉士団体」 設立に向け具体的な第一歩を踏み出したのである。このとき各地からの報告で、すでに8道県で 「社会福祉士会」 の組織化が進められていた。
 2回の準備委員会を経て、全国の社会福祉士宛に 「設立趣意書」 を配布し、加入と募金を呼びかけたのは1992年8月半ばであった。それから僅か5か月後の設立総会までに、加入申込者が500名を超え、支部又はその準備組織を結成しあるいはその準備を進めている都道府県の数は40に及んだ。そして1993年1月15日、日本の社会福祉の歴史上はじめて、国家資格によって裏付けられた専門職団体が誕生した。
「日本社会福祉士会」 が設立後、全都道府県に支部連絡会を設置し、地域を基盤とした相談援助活動支援を行なってきた。特に1995年の阪神大震災現地救援活動を通して社会福祉士実践に対する社会的認知が確立したこと等により、1996年4月1日、社団法人として認可され、福祉サービス利用者の生活と権利を擁護する相談援助活動を通して、日本における社会福祉の充実発展に寄与してきたところである。

 社会福祉士の資格の特徴に簡単に触れる。社会福祉士とは、 「専門的知識及び技術を持って、身体上若しくは精神上の障害があることまた環境上の理由により日常生活を営むのに支障があるものの福祉に関する相談に応じ、助言、指導その他の援助を行なうことを行とするものをいう」 (第2条第1項) とされている。
その第一の特徴は、 「福祉に関する相談援助」 の仕事を一つの専門的な 「職業」 として認めた上で、その業務を 「資格」 により担保していることである。これは 「社会福祉相談援助業務」 の専門性を国がはじめて 「資格」 の裏付けをもって認めたということで画期的なことといえる。 (専門性資格)
 第二の特徴は、対象の限定はあるものの業務の範囲が極めて広く一般的であることである。例えば、 「相談援助」 の範囲・方法については、 「福祉に関する」 というだけで他にいかなる限定もない。このことは、社会福祉士の資格が基礎的・一般的なものであることを意味し、社会福祉士の業務がより高度な専門性を有する各分野別のスペシフィックな資格にも発展しえる、多様な可能性を内に秘めていることを示唆するものである。
 第三の特徴は、この資格の定める目的が 「業務の適正化を図る」 ことにあるという点である。これは社会福祉士の資質の向上を通じて、〈1〉職業倫理の確立、〈2〉技術水準の向上、〈3〉業務の標準化が期待されていることを意味し、社会福祉士の指導的役割と職務上の位置付けにつながるものといえる。 (業務適正化を目指す資格)
 最後に、この資格は 「名称独占」 である。これは社会福祉士の資格はそれ自体いかなる業務上の特権も伴うものでなく、ただ自らの努力と研鑽によってのみその資格にふさわしい 「権威」 を確立しえるものであり、そのようにして確立されたことによって初めて自らの職域の確立も待遇の改善も可能になることを意味している。 (名称独占の資格)

 残念ながら、同時に誕生した 「介護福祉士」 に比べ、社会福祉士に対する社会的理解の度合いは低い。 「相談援助」 という仕事の性質によるものであろうが、一面において従来強力な組織中心を欠いていたためにこの分野の活動が個別分散的であったことによるのではないか。 「会」 の誕生は、この弱点を克服する好機である。社会福祉士の優れた実績を積極的に紹介すること、緊急を要する諸問題に対する取組みを強めて社会福祉の専門職団体として必要な社会的発言を行なうなどが差し当たっての課題である。 「会」 を多様な職場・職種で働く社会福祉士全体のよりどころとなりえる 「柔軟で民主的な専門職集団」 にすることが必要であると考え、一日も早い法人格の取得を目指したのである。
 さて、資格制定15年を迎えた。また社団法人化し、7年を迎えた。
本会では、特命をうけた理事のチームで「社会福祉の将来像と本会の将来構想」を検討し、その第一次構想案(中間まとめ)をまとめたので、それに基づき本会の将来展望を述べる。

U.社会福祉士をとりまく動向

 1、国際的な動向
 ソーシャルワークをとりまく国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)や国際社会事業学校連盟(IASSW)などの取り組みに代表される国際的な動向は、ソーシャルワークの実践の原則および教育、調査・研究における国際的な標準を求めて動いている。

 2、わが国の動向
わが国の社会保障は、国民生活の安定を図るため、国民生活のあらゆる側面を視野に入れた制度の構築がなされてきた。その結果、医療・年金・労働災害・雇用・介護の分野における社会保障制度は、世界でも有数の水準となった。しかし、少子高齢社会の進展は、社会保障制度の再編を促している。
 わが国の社会福祉制度は、これまでの行政「措置」を基本とした社会事業が見直され、社会福祉基礎構造改革の推進によって「契約」を基本とした社会事業へと転換しつつある。その一環として、社会福祉法人のあり方も問い直されている。
 そのような中にあって、平成12年3月に厚生労働省がまとめた「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」報告書では、現代における新たな「援護を要する人々」を明らかにし、これまでの社会福祉制度では対象とすることができない社会福祉問題を提起し、わが国におけるソーシャルワークの新たな展開を示唆した。
 わが国の社会福祉は、利用者の自立支援を進める理念に基づき、「地域」を基盤として展開されつつある。

 3、社会福祉士制度をとりまく動向
 社会福祉士の役割と機能は、社会福祉士および介護福祉士法(昭和62年法律第30号)においては一度も変更されておらず、制度施行(昭和62年5月26日)以降、一貫性を保持し現在に至っている。
 社会福祉士養成教育の動向や社会福祉を取り巻く現状から判断しても、社会福祉士国家試験受験者および登録者の数は、当分の間、増加し続けるだろう。

 (1)歴史的視点
 国は、社会福祉士を「社会福祉士」という表現で法令・通知上で明記しているというよりも、社会福祉主事と「同等以上」という表記で、法的に規定している。このことから社会福祉主事の任用・活用領域は、社会福祉士が制度上用いられうる領域とみなすことができる。とくに、地域福祉を展開する専門職種の一つとして社会福祉士が明記されていることは、特筆すべきことである。

 (2)社会的任用
 社会福祉士の社会的認知にかかる認識を、「名称独占」「任用」の2点から整理する。

 1)「名称独占」について
 「名称独占」と「業務独占」に関して、本会は社会福祉士固有のアイデンティティを確立するためには「業務独占」の方向を模索することも考えられるとしてきた。しかし、社会福祉基礎構造改革の推進や社会福祉法の制定など社会福祉士をとりまく諸制度や政策の進展等は、相談援助にかかる「業務独占」をますます困難にしている。
 その一方で、社会福祉士をとりまく諸制度や政策の進展等は、社会福祉士が必要とされる地域を基盤とした専門領域を明確化する方向が示唆されてきた。
このような中で、本会は、社会福祉関連法制度や政策下において、「名称独占」の利点を活かし、社会福祉士が活かされる専門領域を次第に明確にしてきたといえる。
 2)「任用」について
 社会福祉士が専門的力量に即した取り組みにより獲得できる「社会的に認知され用いられること(=社会的任用)」と行政職への「任用」とは質的に異なる。社会福祉士が求めるべきは、社会福祉関連法制度上の配置基準としての社会福祉士の「制度上の任用」とともに、社会福祉士自らの専門的力量が評価されることにより獲得できる「社会的任用」の方向である。
 本会は、利用者や市民、他の専門職からの社会福祉士の専門的機能に対する問いかけに応えていくことによって、「社会的認知」を得ていかなければならない。また、ソーシャルワークを担う社会福祉士としては、ソーシャルワークの国際的な標準を求め、利用者の自立支援の理念に基づき、地域を基盤としたソーシャルワーク実践の分野で、利用者や市民からの社会的認知を得ていかなければならない。

V.「あるべき社会福祉士像」について

 本会が構想する「あるべき社会福祉士像」とは、一人ひとりの社会福祉士の「願い」と社会からの「期待」の2つの側面をもっている。

 1、これまでの社会福祉士の実践
 本会は、社会福祉士は、日本におけるソーシャルワークを担うソーシャルワーカーであると認識し、次の各号に掲げる実践を通して、「あるべき社会福祉士像」を明らかにしようとしてきた。

          ○ 特定支援〜災害支援、国際協力
          ○ 相談援助〜施設生活支援、利用援助、ケ−スマネジメント、 
                  第三者評価、
          ○ 権利擁護〜成年後見、ハンセン、ホームレス、虐待、暴力
          ○ 後進の育成〜現場実習
          ○ 実践擁護〜倫理綱領、苦情対応、リスクマネジメント

 これらの実践を吟味してみると、結果的に、社会福祉士の実践上の成果は、次の各号であると、総括することができる。
 1)社会福祉士は、現行の社会福祉制度のなかで、対人援助の一翼を担う福祉人材としてその役割を果たして きた。
 2)社会福祉士は、社会福祉施策の網の目から漏れる隙間を埋めるような実践も行ってきた。
 3)社会福祉士は、社会福祉施設において、利用者の自由や個別性の尊重、プライバシーの保護、自主性の醸成などの基本的人権にかかわる支援に関して、専門性を一定程度発揮してきた。
 4)社会福祉士は、利用者の自立を支援するという理想とは裏はらに、専門的な技術を第三者等から理解されるように表明する力量に不十分な面があった。
 5)社会福祉士は、利用者の権利を擁護するため、独自に又は共同して社会的な活動を展開してきた。

 2、社会福祉士の使命(あるべき社会福祉士像)
 社会福祉士の使命(ミッション)は、次のような項目に集約できる。
 1)社会福祉士は、人類普遍の価値を遵守する。
 2)社会福祉士は、ソーシャルワーク固有の視点をもつ。
 3)社会福祉士は、社会的活動をする。
 4)社会福祉士は、社会福祉実践の有用な手段として福祉マネジメントの力量を持つ。
 5)社会福祉士は、職能団体を組織する。

 3、これからの社会福祉士の役割と機能 
 社会福祉法制下において、社会福祉士が役割を果たす場面は拡大する方向にある。その際、社会福祉士は、利用者およびその家族等や市民からの期待を、[社会福祉専門職は24時間365日、地域社会/コミュニティで実践する]という姿勢で受けとめることを基本とする。
 また、社会福祉士は、ジェネリックな力量としての相談・援助の力量を、次の3つの実践分野で発揮していく。
 (1)第一実践分野
 第一実践分野は社会福祉施設である。この分野における社会福祉士は、社会福祉施設の機能の社会化とそこに暮らす利用者の生活の社会化を進める中心的役割を担う。
 (2)第二実践分野
 第二実践分野は地域社会である。
 1)この分野を担う社会福祉士は、利用者の自立支援のために、行政に依存しない契約社会における対等な立場を確立し、民間の発想に基づく福祉サービスを展開する役割を担う。また、地域住民の主体的な参加による地域でソーシャルワークが展開できる社会的なシステムづくりを進める。
 2)この分野の社会福祉士は、利用者およびその家族等、市民、地域社会をストレングスの視点からエンパワメントしていくことやソーシャルワークを基盤としたアントレプレナーシップを醸成し、独立・開業等の形態により新しい課題に対応するソーシャルワークを担う。
  (3)第三実践分野
 第三実践分野は上記以外の実践分野である。 この分野における社会福祉士は、社会福祉士の養成課程や生涯研修における場面で、後継者の育成という理念に基づき、質の高い教育・訓練を担う。

W.本会の将来構想について

 1、これまでの本会の取り組み
 これまでの本会の取組みを、本会全体と都道府県支部との二つの柱で確認する。
 (1)本 会
 本会は、本会の定款(1999年7月8日最終改正)第3条で本会の目的を規定し、その目的を達成するため、本会定款第4条(事業)による事業を行い、ソーシャルワーク実践を行う基盤の強化に努めてきた。また、本会並びに都道府県支部の組織基盤の強化にも努めてきた。
 (2)都道府県支部
 都道府県支部は、任意団体としての都道府県単位の社会福祉士会と社団法人日本社会福祉士会の支部という2つの性格を持ちながら発展してきた。
 支部ごとに組織基盤の差異が認められるものの、確実に会員を増やし、活動を拡大してきている。組織基盤が充実した支部から随時法人格を取得し、社会的認知を確実なものにしつつある。

 2、本会の使命(ミッション)
 本会の使命は、本会の定款に規定した第3条(目的)のとおり、次の1)〜7)の各事項に貢献し、今後もその実現に向けて引き続き努めていこうとするものである。

 1)本会は、社会福祉士の倫理を確立する
 2)本会は、社会福祉士の専門的技能を研鑚する
 3)本会は、社会福祉士の資質と社会的地位の向上に努める
 4)本会は、社会福祉の援助を必要とする人々の生活と権利の擁護に寄与する
 5)本会は、社会福祉の援助を必要とする人々の福祉の増進に寄与する
 6)本会は、1)〜5)の確立をめざして組織基盤を強化する
 7)本会は、1)〜5)の確立をめざして社会的な活動を展開する

 3、これからの本会の役割と機能
 「あるべき社会福祉士像」の実現を目指して、本会と都道府県支部とは次の役割と機能を果たしていかなければならない。

 1)社会福祉士の倫理の確立 
  @ソーシャルワーカーの倫理綱領を主張し普及させる。
 2)社会福祉士の専門的技能の展開
  @国際的に承認されたソーシャルワーク実践の原理と手順を吟味し、われわれの視点からの提案を行うとともに、わが国におけるソーシャルワークの確立をめざす。
  Aわが国固有の実践分野としての社会福祉施設ソーシャルワーク実践を分析し発展させる。
  B専門実践領域を発展させる新しい特性を探求し、その発展機会を開拓し提供する。
 3)社会福祉士の資質と社会的地位の向上 
  @ソーシャルワークの実践領域が拡大するような方向への社会的活動を展開する。
  A福祉人材センターや行政等と連携し、ソーシャルワーク実践における労働条件の改善に貢献する。
 4)生活と権利の擁護
  @社会的責任と資格制度を背景に社会福祉士の地域貢献を支援する。
  A実践に関連する特定領域での貢献や役割を明らかにし、他の専門職との協働・提携体制を確立する。
 5)人々の福祉の増進 
  @福祉経営および福祉サービスマネジメントの向上に貢献する。
  A地域住民との共生・協働を醸成し、福祉のダイナミクスに基づいて、地域づくりに貢献する。
  B社会的諸状態に関係する研究活動を、他の専門職・教育研究機関等と連携しつつ行う。
  C国際的な社会福祉活動への参加などを通して他国のソーシャルワーク専門職との協働を発展させる。
 6)組織基盤の強化 
  @組織の中長期発展計画・評価の仕組みを構築する
  A財政の安定化と財政調整基金を構築する
  B戦略的な広聴・広報基盤を構築する

おわりに

 本会の発展のためには、常に中長期発展計画をもち、具体的行動計画をたて、それに基づいた活動を展開し、その計画と行動を評価する仕組みをもつ必要がある。これによって、社会と時代の要請にあった専門職団体と専門職となることができる。
 したがって、今後は【計画→行動→評価→見直し】のサイクルを明確に規定した仕組みを構築していく必要がある。
 特命理事チームは、「社会福祉士の将来像と本会の将来構想(第一次構想案(中間まとめ))」をとりまとめるにあたり、以下で示した「X、検討経過」にみるような検討をなしてきた。
 「第一次構想案(中間まとめ)」は、将来のあるべき社会福祉士像および本会の将来像を描くと共に、それに向けて、どのような検討を加えながら、システムの構築に向けて取り組むのかを提案するものである。
 「中間まとめ」は、今後さらに会員各位や関係諸団体・機関等のご意見を頂きながら、さらにより質の高い内容に発展させ、本会のビジョンを描いていくものであり、忌憚なきご意見を賜れば幸いである。
「これからの社会福祉士の実践分野」の主な区分              2003.8.31.現在
実践分野 領  域 社会福祉法 中核的機能 具 体 例 会員数 比率
第一 社会福祉施設等 第一種社会福祉事業等 相談・援助 社会化 ・社会福祉施設・老人保健施設・療養型医療施設・医療機関等 7,180 43.0
第二 1) 地域社会 第二種社会福祉事業 社会福祉を目的とする事業 計画 ・ 企画 ・ 調整 ・行政機関・在宅介護支援センター・社会福祉協議会等 5,472 32.8
2) 社会福祉に関する活動 立案・起業 ・独立事務所・NPO法人・ボランティア活動・民間企業等 1,614& 9.6
第三 養成校等 福祉人材確保にかかる法令等 教育・訓練 ・指定養成施設・大学・専門職大学院・研修センター等 804 4.8
(注)その他(勤務先なし・不明等) 1,621 9.8