第2回日韓こころの交流シンポジウム
高齢者福祉施設における
ソーシャルワーカーの位置と役割  

 日韓の社会福祉士 高齢社会での役割、可能性 論議 250人参加

 
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第2回日韓「こころの交流」シンポジウム

高齢者福祉施設におけるソーシャルワーカーの位置と役割 ―地域福祉の視点から−

日時:2004年12月7日
       午後1時から 午後8時30分まで
場所:日本リーガロイヤルホテル大阪菊の間
参加者:250人
主催:財団法人ユニベール財団
    第2回「日韓こころの交流」
          シンポジウム実行委員会
主管:社会福祉法人こころの家族
    韓国 社会福祉法人 共生福祉財団
後援:高齢者NGO連携協議会
    日本ケアマネジメント学会
    日本ソーシャルワーカー協会
    日本地域福祉学会
    社団法人日本社会福祉士会
    社団法人日本社会福祉士養成校協会
    韓国社会福祉協議会        
    韓国社会福祉士協会        
    韓国地域社会福祉学会       
    韓国社会福祉教育協議会

開会辞 中川和雄第2回「日韓こころの交流」
           シンポジウム実行委員長
主催者挨拶 伊藤勲財団法人ユニベール財                    団 専務理事
歓迎辞 松廣屋慎二大阪府社会福祉協議会                        会長
祝辞 金得麟韓国社会福祉協議会会長
総合司会  魯相学筑紫女学園大学教授

基調講演「高齢者福祉施設におけるソーシャ       ルワーカーの位置と役割」
 大橋謙策 (日本と英国を中心に)
   日本社会事業大学教授
   日本地域福祉学会会長
 高両坤 (韓国と米国を中心に)
   韓国 江南大学大学院 院長

事例発表
 司会:金泳鎬 韓国 江南大学名誉教授
「地域社会における老人の青少年禁煙指導活動」
 朴俊騎 韓国 ソウル市立蘆原老人綜合福        祉館 研究開発部長
「ソーシャルワーカーは誰のため何をするのか」
 高木定美八尾市立障害者綜合福祉センター                      前施設長
「高齢者福祉施設での社会福祉士の位置と                         役割」
 盧甲連韓国 愛光老人療養園 園長

「在日コリアン特別養護老人ホーム『故郷の                  家』の活動報告」
 尹 基 社会福祉法人こころの家族 理事長

総合討論 「高齢者福祉施設におけるソーシャ       ルワーカーの位置と役割」
        ― 地域福祉の視点から ―
 座長:橋本泰子大正大学人間学部教授
 パネリスト:発表者全員

懇親会  桐の間
司会:魯相学筑紫女学園大学教授 
 クラリネット:稲本 耕一、
 オペラ:斉藤 習子、
 ハンドベル:ユニベール財団


   
下にシンポジウムの記事が続きます

   
挨拶する中川和雄実行委員長
挨拶する伊藤勲専務理事
歓迎辞を述べる松廣屋慎二会長
わざわざ駆けつけ祝辞する金得麟会長
金会長から伊藤専務理事に感謝牌伝達
盧相学教授の総合司会

 日韓の社会福祉士が一堂に集まり、「高齢者福祉施設におけるソーシャルワーカーの位置と役割」を主題に専門職として日韓交流を深めた。財団法人ユニベール財団と同シンポジウム実行委員会が主催して、昨年12月、済州道で開かれた第1回(主題:「ソーシャルワーカーの専門性の開発と将来展望」)に続き、2回目の今回は場所を日本に移し、社会福祉法人こころの家族と韓国の共生福祉財団が主管して去る2004年12月7日大阪市内のリーガロイヤルホテル大阪で開かれた。

 この日は崔聖均韓国社会福祉士協議会会長、金聖二梨花女子大学教授、金得麟韓国社会福祉協議会会長、任東信共生福祉財団会長などや韓国の各福祉施設からの約50人をはじめ、日韓の第一線で活躍する社会福祉士など、約250人が集まり、高齢社会に備える社会福祉士の役割について熱心な意見交換を行なった。2部の懇親会では日韓社会福祉士の交流をより深め、友情を厚くした。

 開会式では、中川和雄実行委員長は、ソーシャルワーカーの機能と役割分担、位置付けが重要な意義を持つと語り、ユニベール財団の伊藤勲専務理事は、医療や介護専門職との連携、さらに家族と地域ボランティアの協働などに対する展望に期待を表した。大阪社会福祉協議会の松廣屋慎二会長は、同シンポジウムがソーシャルワークと地域福祉の関係について学ぶ絶好の機会であると歓迎した。 わざわざ韓国から駆けつけた韓国社会福祉協議会の金得麟(キム・ドゥクリン)会長は、老人の経験と壮年の活力、そして青年の覇気が一つになった老、壮、青の三位一体こそ真の福祉社会の姿であるといい、この機会が日韓両国の福祉と友好増進になることを願うと祝辞を述べた。金会長から日韓の福祉に貢献している伊藤専務へ感謝牌が贈られた。 
大橋謙策会長の基調講演
高両坤院長の基調講演
韓国側参加者
 
 魯相学(ロ・サンハク)筑紫女学園大学教授の総合司会で進められたシンポジウムでは、基調講演「高齢者福祉施設におけるソーシャルワーカーの位置と役割」を日韓社会福祉のそれぞれの権威者が講演した。まず日本社会事業大学教授で、日本地域福祉学会の大橋謙策会長が、日本と英国を中心に語り、韓国の江南大学大学院の高両坤(コ・ヤンゴン)院長が韓国と米国を中心に語った。

 大橋会長は、日本や英国の例を上げながら、地域福祉とは老人、児童、障害者、母子など各分野を横断的に再編、統合する新しい社会福祉の考え方であり、コミュニティソーシャルワーク機能を重視した地域福祉の展開のためには、新しい福祉サービスシステムの創出が求められるが、社会福祉法人と社会福祉施設との関わりが問題であると指摘した。

 高両坤院長は、韓国の福祉施設は大部分、社会福祉士が主軸となり運営されてきたし、今後も主導的な役割を遂行することを確信した。地域住民すべてが地域の老人福祉事業に参加できるようにすることができたとき、すべての世代がともに豊かに暮らす福祉社会を打ち立てることができると語った。

 事例発表は金泳鎬(キム・ヨンホ)江南大学名誉教授の司会で進められ、ソウル市立蘆原老人綜合福祉館の朴俊騎(パク・ジュンギ)研究開発部長が、「地域社会における老人の青少年禁煙指導活動」の中で、高齢者人材を積極低に活用し、効果を上げた禁煙指導活動を紹介した。

 八尾市立障害者綜合福祉センターの高木定美前施設長は、「ソーシャルワーカーは誰のため何をするのか」で、福祉制度や社会保険制度、年金制度が大きく変わろうとする中、社会福祉士は枠を越えて、社会的弱者の人権を守ることが職務であるとした。

 「高齢者福祉施設での社会福祉士の位置と役割」と題して発表した韓国愛光老人療養園の盧甲連(ノ・カビョン)園長は、同施設での社会福祉士の役割は活発だが、専門性や効果、効率の確保は不十分だとし、評価の専門性や社会福祉士の職務分析、福利厚生の不足などの問題を指摘した。
 
社会福祉法人こころの家族の尹基(ユン・キ)理事長は、「在日コリアン特別養護老人ホーム『故郷の家』の活動報告」で、高齢社会に入った日本のもう一つの高齢者問題が、在日コリアンの高齢者問題だと指摘し、社会事業家として問題発見し、日本社会に知らしめ、関心を持つ人々を集めて組織し、13,000人が参加して「故郷の家」、「故郷の家・神戸」を完成した過程を紹介した。また今日、地域社会で人と人とのつながりが弱くなっているが、社会福祉士がプログラムでつながりを作ることが要請されていると、違いと違いとつなぐ地域社会の中での新しい福祉文化を作る必要性を語った。

 総合討論は、大正大学人間学部の橋本泰子教授を座長に発表者全員が参加し、会場からの質問に答え、地域福祉の中で社会福祉士の果たせる役割や可能性について討論した。
シンポジウムは聴衆の中からも共感の声がでるなど、終始、真摯な雰囲気の中で進められ、高齢者福祉において社会福祉士の役割の重要性と問題意識が必要であると強調された。
 
日本側参加者
韓国参加者などと記念写真
事例発表の司会をする金泳鎬名誉教授
発表する朴俊騎部長
発表する高木定美 前施設長

発表する盧甲連園長

発表する尹基理事長

総合討論の模様
橋本泰子教授の名座長ぶり
 第2部で開かれた懇親会では、稲本耕一氏のクラリネットやユニベール財団の皆さんのハンドベル演奏、斉藤習子さんの独唱などが披露され、進行役の魯相学教授もハーモニカを演奏するなど、日韓の社会福祉士が和気藹々と交流を深めた。最後は参加者全員が手を取り、大きな輪となって、「マンナム」「今日の日はさようなら」など、日韓の歌を合唱し、大いに盛り上がった。
翌日、韓国グループが故郷の家神戸を見学 尹基理事長からレクチャーを受ける
韓国側参加者 故郷の家・神戸前で記念写真