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   ----------------- 尹致浩・千鶴子、そして尹基へ -------------------

 1928年、韓国が民族受難の時代にあった日本植民地時代。キリスト教伝道師尹致浩(ユン・チホ)が木浦で、7人の孤児と共に生活を始めた。貧しい生活の中、共生する孤児が増えていく中、朝鮮総督府の官吏の娘として木浦にいた日本人、田内千鶴子が尹致浩の活動に共鳴し、共生園での奉仕をスタート。やがて2人は夫婦になり、大勢の孤児らの父と母になった。だがその後、子どもたちの食料を調達に行った尹致浩が行方不明に。遺された千鶴子は夫の遺志を継ぎ、韓国に留まり56歳で生涯を閉じるまで3千人もの孤児らを育てあげた。
 千鶴子の思いは長男の尹基(ユン・キ、現こころの家族理事長)に引き継がれ、韓国では共生福祉財団として発展。
 日本では、尹基が理事長となって在日韓国老人ホームを作る会、そして社会福祉法人「こころの家族」が活動、祖国を離れたお年寄りにふるさとのぬくもりをを感じせる老人ホームを建設するという、画期的な試みを続けている。
 田内千鶴子の生涯は映画「愛の黙示録」(1995年)で広く知られることになった。




1928年10月15日 共生園1尹致浩(ユン・チホ) 伝道師、木浦で 孤児7名と共同生活を始める。これが後の共生園、共生福祉財団のはじまりとなった。尹致浩は「乞食大将」と呼ばれながら、生涯を伝導と孤児の救済に捧げた。
1930年 田内千鶴子、 木浦高女を卒業
1932年 共生園認可
田内千鶴子、木浦貞明女子学校の音楽の教師となる
1933年 尹致浩、 ソウル ピオソン聖書学院卒業
1936年 田内千鶴子、 貞明女子学校を退職、共生園に奉仕
1937年4月3日 共生園、木浦市竹橋洞(現所在地)に移転
1938年 10月15日 共生園3尹致浩と田内千鶴子 結婚

キリスト教の強い信仰心と人間愛を貫き通す尹に、同じクリスチャンとして共鳴した田内千鶴子は、周囲の反対を押し切って結婚。田内千鶴子が一人娘だったので、尹致浩は田内家に入籍。
1940年 長女 清美(ユン・チュンミ) 出生
42年 長男 基(ユン・キ)、47年 次女 香美(ユン・ヒャンミ)、49年 次男 栄華 (ユン・ヨンワ)出生

=海の向こうに高知が見える=
戦後の排日感情が高まる1946年、田内千鶴子は母と2児を連れて高知に引き揚げましたが、木浦に残してきた夫や孤児たちへの思いが募り、翌年、母の説得を振り切り再び韓国に渡りました。その母が80歳になって老人ホ−ムに入ったという手紙が届いた時、一人娘の自分が母の面倒もみることができずに、異国で孤児たちの面倒をみなければならない。そして親子が2つの国に別れて住まなければならない運命に千鶴子は泣いた。そのつらさと悲しさがこもった言葉が、「海の向こうに高知が見える」であった。

1950年 6月 25日 朝鮮戦争
1951年 1月26日 尹致浩, 光州にある全南道庁に 食糧調達に出かけたまま 消息を断つ。 田内千鶴子、夫の遺業を継ぐ
1961年10月31日 乳児院認可
1963年 田内千鶴子、 韓国政府より 「文化勳章国民章」を受章

=苦労は子どもたちがしました=
1963年8月15日、「田内千鶴子は私たちの子供を守って育ててくれた人類愛の人だから」という朴正煕大統領の強い後押しがあって、韓国政府から日本人初の文化勲章国民章を授与された。そのお祝いの席で、「夫が帰る時までと思い、園を守ってきただけ。苦労は子供たちがしました」と、田内千鶴子は答えている。

1964年 共生園水仙花合唱団創立
共生園2
音楽教師だった千鶴子。共生園ではいつも、子どもたちの元気な歌声が響いていた
1965年 田内千鶴子、 「第1回 木浦市 市民賞」 受賞
1967年 田内千鶴子、 日本国政府より「紫綬褒章」を受章
1968年 10月31日 田内千鶴子、 56歳の誕生日に 逝去。 木浦市 最初の 市民葬。 長男の尹基(TAUCHI MOTOI)、 園長に就任

=梅干しが食べたい=
夫がいない韓国に残って、田内千鶴子は、病状が悪化するにつれ日本語を喋るようになり、死の床で、長男の尹基に「梅干しが食べたい」と言った。キムチを食べ、ハングルを使って生きてきた母の最後の言葉に尹基は大きなショックを受ける。このことが後に、キムチと梅干が食べられる在日韓国老人ホ−ム「故郷の家」を作るきっかけとなった。
1969年 日本国天皇より 田内千鶴子に 「勳五等宝冠章」 追叙
1970年 韓国の京郷新聞から 「オモニの塔」を寄贈
1971年 日本航空(JAL)、 共生園に 児童宿舍 「JAL ハウス」を寄贈

共生園の 「水仙花合唱団」が 初めて日本の10都市を訪問し、同じ境遇にいる日本の子供たちと音楽の交流を図る
1972年1月13日 財団法人木浦共生園から社会福祉法人木浦共生園になる
1972年4月5日 尹基、大阪博愛社生活指導員・福田文枝と結婚

共生園5
(新婚間もない尹基と文枝。子どもたちと共に)
1972年12月29日 保健社会部指定 社会福祉従事者現任者保母訓練施設(ユネスコプログラム)
1974年 尹基、田内文枝が共生園の対岸にある 高下島の敷地 9万坪を買入、 共生園に寄贈
1974年12月31日 木浦市より捨て子一時保護所委託
1975年4月1日 共生園家庭相談所開設
1975年 兄弟施設「大阪自彊館 」吉村靫生先生の協力と大阪市民たちの誠金により 共生園に児童宿舍 「大阪愛の家」 と「大一食堂」寄贈
1977年 「ソウル少年少女職業訓練院」を開設(現 漢南職業専門学校)。 尹基、院長に就任
1977年3月7日 社会福祉法人木浦共生園を社会福祉法人共生福祉財団に名称変更
1979年 ソウル 江東区 明逸洞に 「ソウル総合訓練院」を新築 開設。 尹基、院長に就任
1982年 東京に 「共生福祉財団 東京事務所」を開設。尹基、「こころの家族」運動を展開
田内文枝、読売新聞第3回女性ヒューマンドキュメンタリー大賞に入選(「羊がいっぴき」)
1983年 1月29日 田内文枝、日本クリスチャン新聞アカシ文学賞最優秀賞受賞(「私もまた孤児だった」)
1984年 木浦市 高下島に 精神薄弱児 再活施設 「共生再活院」 認可を 得る
尹基会長、朝日新聞論壇で在日韓国人老人ホームを提唱
1987年 済州市から 浮浪人保護施設の「済州希望園」の委託運營を得る
1989年 済州市 月平洞に 「済州精神療養園」竣工
1990年 ソウル市から 「ソウル上渓職業専門学校」の委託運営を得る
1991年 重症障害人施設 「木浦 障害人療養園」設立
1995年 故 田内千鶴子の生涯 「愛の黙示録」を製作. 最初の韓日 合作映画で 日本厚生大臣より 「児童福祉文化賞」を受賞
1997年 高知県に 田内千鶴子 記念碑を建立
2003年 木浦市長の主管で 共生園に 尹致浩と田内千鶴子 夫婦の銅像を 建立
2004年 「韓国自願福祉開発院」を設立
「木浦共生地域児童センター」を設立
2006年 「ソウル 江南自活後見機関」を委託運営
2006年 6月1日 尹基 理事長 (財団名誉会長)、韓国 「湖巖財団」より「湖巖賞 社会奉仕部門」 受賞
2007年 10月1日 尹基 理事長 (財団名誉会長)、 「第1回 世界韓民族の日」に 韓国政府より 「国民勳章 冬柏章」 受章
2008年10月7日 社会福祉法人共生福祉財団は、韓国で100年を越える歴史を持つ崇實大学校と運営において全面提携する協定書を交わし、名称を「崇實共生福祉財団」に変更詳細ページ
2012年10月31日 尹鶴子生誕100周年記念 国連「世界孤児の日」制定推進宣言大会
2013年10月 シンポジウム「海辺の聖女 尹鶴子生誕101年に考える韓日」開催
2014年10月 国連世界孤児の日制定推進 ハイレベルフォーラム(東京・ソウル)
2016年6月 法人名称を尹鶴子共生財団に変更
2016年10月17日 木浦共生園創立88周年 「故郷の家・東京」竣工
2016年10月31日 田内千鶴子を偲び、高知県と全羅南道姉妹血縁
2017年6月10日 安倍晋三総理特使、二階俊博自民党幹事長、木浦 共生園 訪問
2017年10月31日 高知 田内千鶴子生誕地記念碑建立20周年記念式典
2017年12月20日 世界孤児の日国際学術セミナー 木浦で開催 山口典子堺市議参加
2018年3月15日 国連「世界孤児の日」制定請願「ニューヨーク世界大会」ソウル発会式
2018年6月27日 国連「世界孤児の日」制定請願「ニューヨーク世界大会」日本発会式
2018年10月15日
    10月31日
共生園設立90周年記念式 国連「世界孤児の日」制定請願「ニューヨーク世界大会」
共生福祉財団設立90春年記念式 木浦

今日も、共生園には子どもたちの元気な笑顔があふれている。

共生園6










●木浦共生園
  園長:鄭 愛羅(チョン・エラ)
  所在地:(530-845)韓国全羅南道木浦市海洋大学路28
  Tel:061-242-7501 Fax:061-243-7503
  E-mail:ksw7501 @ hanmail.net
  URL:http://www.mksw.org (ハングルのみ)


●尹鶴子共生財団
  理事長:朴 鐘淳(パク・ジョンスン、韓国忠信教会牧師)
  所在地:(04158)韓国ソウル特別市麻浦区麻浦大路53 麻浦Trapalace A棟2307号
  Tel:(02)704-4011  FAX:02-704-4015
  E-mail:kongsaeng @ hanmail.net
  URL:http://www.kongsaeng.or.kr (ハングルのみ)

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