地域社会との関わり

木浦で理事会が終わったあと、職員が一軒のカフェへ案内してくれた。
ケーキを販売している店で、看板にはPASCUCCI(パスクッチ)チェーン と書かれている。その下に、こう記されていた。
「共生分かち合いの店」
その言葉を見たとき、私は胸が温かくなった。

木浦市と別府市が姉妹都市となり、交流が始まった頃、ある木浦の経営者は、「別府の親切を学びなさい」と息子を別府インターナショナルへ送り出したという。その息子は別府で学び、木浦に戻り、PASCUCCIの店舗を開き、社長として働いている。
彼は地域社会のために何かしたいと考え、共生園の42人の子どもたち一人ひとりの誕生日に、誕生日ケーキを届け続けているという。一人一人の子どもの誕生日に。その日に。
それは単なる寄付ではない。「あなたを忘れていない」という市民からの心のメッセージである。

「故郷の家」でも、毎月誕生日会を開き、歌や踊りで皆で祝っている。
しかし、行事として祝うだけでなく、一人ひとりに誕生日カードを書き、施設長や職員が直接「おめでとう」と伝えることも大切であると。
ところが、施設ではなく、地域に住む市民が、家族と離れて暮らす一人一人の誕生日を覚え、その日にケーキを届ける。私はまるで宝物を見つけたような気持ちになった。
人は皆、良いことをしたいと思っている。
けれど、何をすればよいのか分からず、一歩を踏み出せない人も多い。

木浦の小さなカフェで、世界でいちばん丁寧な愛の贈り物が、静かに子どもたちへ届けられている。
確かな、地域の愛である。

「故郷の家」は地域社会と、どう関わっているのか。

社会福祉法人こころの家族   尹基(Tauchi Motoi) 2026年1月1日

       
 
パンフ
レット
寄付
採用
情報
故郷
の家