福祉の現場では、感謝と感動、そして、感性が大切だと私は思う。
昨年、新型コロナウィルス19は、世界をひっくり返した。故郷の家にも赤信号が灯った。
いつ、どこからやって来るのか、目に見えない敵を相手に血が引くような経験は初めてだ。
各施設ではご利用者と職員の感染とその対応に心を配り、PCR検査結果報告に一喜一憂しながら、現場の感染拡大予防を徹底した。
人と物の応援体制の手配など関係各位のご指導とご支援、職員の頑張りは実にありがたかった。
特に、罹患者やその家族の健やかな日常が戻るようにと祈りを共にしてくださった皆様に心から感謝する。
新型コロナは、世界中を新型刑務所にしてしまったような気がする。
そんな中でも「長生きする福祉から楽しく生きる福祉へ」と、職員たちは、ご利用者が少しでも楽しく過ごしていただけるようにできることから文化福祉に取り組んでいる。
コロナで失われた笑顔を取り戻したい。
お年寄りの笑顔を、ご家族の笑顔を、職員の笑顔を見たい。
日本に来ている留学生たちやボランティア、地域住民の笑顔を、そして、親もなく一人で生きる孤児たちの笑顔を取り戻してあげたい。
93年前、食料不足のなかでも共生園をはじめたユン・チホは、失われた孤児の笑顔を取り戻すために音楽を取り入れた。
コロナ禍に生きる私は、ユン・チホの感性の素晴らしさに頭が下がる。
国連に世界孤児の日が制定され、一年に一日でも孤児に希望をプレゼントする日を夢見ている。
社会福祉法人こころの家族 尹基(Tauchi Motoi) 2021年3月1日



