8月28日午後、故郷の家・京都の雲史ホールで「日韓国交正常化60周年記念特別演奏会」が開かれた。
演奏したのは演奏者全員が発達障がいを持つが、音楽大学 を卒業後、プロとして世界的に活躍しているという稀有なオーケストラ「ハートハートオーケストラ」。その演奏は奇跡のハーモニーと称される。

2006年、貧困や病気、障がいで苦しむ人々を支え、誰もが共に助け合いながら生 きる社会を作るハート・ハート(Heart to Heart)財団によって創設された楽団。以来、 韓国国内外で1300回以上の公演を実施。今回は8月25日から大阪(大阪韓国文化院ヌリホール、いずみホール)、 京都(同志社大学)、奈良(たんぽぽの家)を巡演、最後を締め括ったのがこの日のコンサートだった。
団員による挨拶に続いてハートハートオーケストラの紹介映像が流された後、演奏が始まる。「カルメン」 の華やかなメロディー、日本の代表的な童謡「ふるさと」「赤とんぼ」と続いたあとは韓国の曲「美しい国」「故郷の 春」が次々と演奏された。会場は車椅子の入居者さんやご家族、職員たちで満席。すばらしい演奏に客席がひとつになった。
あらかじめ「演奏が終わったらぜひアンコールしてくださいね。喜んで演奏しますので(笑)」とのアナウンス があったので、もちろん「アンコール!」。「アリラン」に続いて韓国国歌が演奏され、大きな拍手が雲史ホールに響いた。 演奏を終えて立ち上がり、挨拶する団員の皆さんの晴れやかな笑顔が印象的だった。

